「X」三部作の最後を飾る、制作にも名を連ねるミア・ゴスさん主演のホラー映画。タイトルの「MaXXXine」の「X」は、三部作最後の意味と、「伏せ字」のダブルミーニングとなっている。
話はありきたりだったりする。フェミサイドが起こり、その犯人はいったい誰なのかというサスペンス要素が無くもないのだけれど、この作品はメタフィクションであるところがポイント。
ポルノ女優であるマキシーンが、そこからさらにキャリアを築こうとB級ホラー映画の主役の座を射止める。そこから彼女の「未清算の過去」が明かされるのだけれど、ここらへんは「X」を見ておいた方がいいです。もちろん作品単体で昨日はする様に作られてはいますが、「X(1978年)」→「Pearl(1918年)」→「MaXXXine(1985年)」と追っていくと面白さは増すと思います。
で、劇中劇で「ピューリタンⅡ」という、タイトルからしてB級ホラー(元ネタはエクソシストかな?)が進行していくと共に、マキシーンの周りで人が次々と死んでいき、警察も疑い始め、撮影に遅刻するなどして彼女は追い詰められる。
そして終盤殺人鬼の正体は明かされ、決着が非常に象徴的な場所で、文字通り「ハリウッドの裏側」だったりするのがまた効いている!
胸糞野郎をぶち殺し、マキシーンは三部作を通じて(「Pearl」主役のパールはは違う人だけど、ミア・ゴスが演じているので勘定に入れる)、ついに彼女はキャリアアップを果たす。
B級ホラー映画の監督を努めるエリザベスが、ある意味で彼女とイコールといってもいい関係で、ハリウッドでいかに女性の扱いがひどいのか、そしてそこからキャリアを築くためには、B級ホラーでもいい作品にしようとする熱意というか、非人情なところも描写されている。作品に出演している女優が殺害されたのに、ちょっと黙とうしただけで撮影を再開するところは、「Show must go on」とはいえ残酷で、ここでもまたハリウッドという「見世物小屋」に対する批評的な視点があると思います。
私が笑ってしまったのは、マキシーンがバスター・キートンっぽい男に襲われそうになるも、しっかりと反撃し、〇〇を蹴りつぶす場面。
なんか「ホラーとポルノ馬鹿にすんじゃねえぞ!」という監督の怒りを勝手に感じましたね。
私的には全編に満ち満ちた「1980年代」の再現性が郷愁を搔き立てられましたね。出て来る全てが懐かしいといいましょうか。メタリックなタイトル、VHS、スモークの焚かれた路地、ざらついたテレビの画面等。