なんか「ダーティハリー」でもめているようですが。
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よせばいいのだけれど、私もこの件に関してちょっと喋ってみますね。
たしかにスクリプト的におかしいと思います。なので、ここから先は素人ですが、私なりにハリーがミランダ警告をきちんと行った場合の展開を考えてみました。
スタジアムのシーンでハリーはミランダ警告を行わず、スコルピオを拷問して少女の居場所を吐かせようとしてしまったが故にスコルピオは釈放されてしまうわけですが、ここを変更して、相棒で大学出のチコがくれぐれもミランダ警告を行うようハリーを説得する。そうしないと奴は釈放されてしまうからと。
「なんだと!」と憤るハリーだが、ディジョルジョも説得し苦々しい思いを抱きながらもここできちんとミランダ警告を行い、怪我をさせたりもせずにスコルピオを確保する。残念ながらチコはこの過程でやっぱり重傷を負う。
デュー・プロセス・オブ・ロー(法律に基づいた適正な手続き)を取り、取り調べが行われるも、スコルピオは口を割らずに少女は死亡。弁護士が呼ばれ、信じられないことに心神耗弱を理由になんとスコルピオは無罪とされ釈放されてしまう。
遺族に「どうして捕まえた時に拷問してでも娘の居場所を吐かせなかったんだ!」とボロカスに言われるハリー。チコは自らが重傷を負ったことに加え、法律が機能しない不条理に失望してやはり刑事を辞める。
その後、ディジョルジョから少女は死亡推定時刻からスコルピオを確保した時には既に死亡していた事実を聞かされるも「そんなのなんの慰めにもならねえよ!」と落ち込み、憤るハリー。
ここで観客はハリーに共感し、スコルピオに対しては共感を呼ばないので、「スコルピオはもう殺すしかない」と思う。そしてどうなるかというと、ここで初めて「法外の正義」が出て来る。
スタジアムのシーンでライフルが出て来たけど、それは変更して、ラストシーンのバスジャックも変更する。釈放されて浮かれるスコルピオを、今度はハリーがビルの屋上から狙撃する。
冒頭の女性と同じく背中を撃たれて死亡するスコルピオ。
ハリーは現場に警官バッジを置いて立ち去る。その後、警察によって現場検証がされるも、ディジョルジョが警官バッジをいちばん最初に見つけて誰にも見られない様にそっと隠して映画は終了する。
最後にハリーがバッジを捨てる理由って、たとえどのような理由があろうとも、「法外の正義」を執行してしまったから、自分には刑事の資格が無いと判断したからだと思いますが(まあその後「2」で復帰しちゃうわけだけれども)。
「ダーティハリー」に関しては、町山智浩さんの「映画の見方がわかる本: 2001年宇宙の旅から未知との遭遇まで」を参考にしています。それと、北村紗衣さんに関してですが、私はこの方の「批評の教室」を持っていて、二人の意見を私は映画を見る際に参考にさせてもらっています。
残念ながら電子書籍化されていないんですよね、この本。文庫化もされていないみたいですし↓。
こちらは電子書籍で持っています↓。