アニメ「プレデター:最凶頂上決戦」

 あ、「プレデター」の新作アニメなんだ。じゃあちょっと見てみるか!くらいの軽いノリで見始めたらこれが超絶に傑作でした。プレデター好きなら見ないと駄目ですこれは。なお、本作はディズニープラス独占配信となっております。

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 概要としては、アンソロジーです。3つの時代で3人の主人公が出て来て、それぞれプレデターと戦うという、言ってしまえばシンプルなものなのだけれど、物凄く密度が濃いんですよ。

 

 最初のエピソードが、871年の北欧でヴァイキングと思われる女性の戦士の復讐劇。そこでその女性戦士が、復讐を成し遂げる(捕食)も、そこにプレデターが表れて今度は捕食される側になる。そう、第1作から何度も繰り返される「捕食者がまた別の捕食者に捕食される」というモチーフが繰り返される(トートロジー)。

 

 次のエピソードが、日本を舞台にしていて今度はほぼセリフが無い。時代が1600年代初頭で、二人の兄弟が父親から跡目を争わされるところにまたプレデター登場!この話、明らかに「ゴースト・オブ・ツシマ」の影響がありありなんですよねー。

 

 要するにプレデターって、地球で争いの匂いを嗅ぎつけ、そこに降りたり殺戮を行うという習性なんですね。

 

 3つ目が第二次世界大戦時のアメリカで、飛行機乗りの青年が出て来て今度はなんと空でプレデターと戦う!?何を言っているのかわからないと思いますが、これが本当なんだから仕方がない。

 

 そして上記の物語をアニメーションで見せているのですが、わざとなんだろうけどストップモーション気味に表現されているんですよね。ここらへんはおそらくプレデターの不気味さを際立たせる為にそうしているのだと思います。

 

 で、彼らは実は選抜されていてコールドスリープ状態に置かれ、プレデターの母星に送られ互いに争わされそうになる。だからタイトルが「最凶頂上決戦(邦題)」な訳。

 

 でも、国も時代も言語も違う3人はそこで成り行き上共闘し、信じられないことに脱出!本当にどうしようもない絶望的な状況まで追い込まれているので物語の推進力が半端ない!

 

 そこからエンドロールになるんだけど、そこで驚きというか強烈なヒキがあって、あの「プレデター:ザ・プレイ」の主人公だった」「ナル」がコールドスリープされていてビックリという終わり。

 

 見ていてやばいなと思うのは、おそらく潤沢な予算と期間で制作されているであろうことと、こんなハイクオリティなアニメーションを作られたら、日本のアニメーションはほとんど淘汰されてしまうだろうなという気がしてしまいましたね。たぶん一部の会社しか生き残れないと思いますこんなん作られた日には。

 

 監督があの「ザ・ボーイズ」や、低調だったプレデターというコンテンツをある意味で復活させたと言ってもいい、「プレデター:ザ・プレイ」のダン・トラクテンバーグなので、間違いないとしか言いようが無い!

 

 予告でなんかプレデターの顔が情けないと不評の「プレデター:バッドランド」ですが、またしても彼が監督を努めるのでまったく心配していないです私は!

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