小説「滅ぼす」

 フランスの小説家ミシェル・ウェルベックの最新作。ウェルベックの小説は、近代社会に生きるヘテロセクシャル男性の嘆きというかグチが延々とつづられるところがキモだと思っています。で、今作でもそういった描写はあるのですが、途中までなんか「世界でとんでもない事が起ころうとしている!」みたいになるのに、終盤からあらぬ方向に話が転がって行きます。上下巻合わせて600ページ超えの大作ですが、とても読みやすいです。