映画『デンジャラス・ラン』感想・ネタバレ|午後ローで見れる最高に「丁度いい」アクション映画の魅力

 先週のブログで世界情勢が急変していること、そしてそれがあまりにもひどいのにメンタルがやられたせいで映画が見れなくなったと書きました。

entanglement26.hateblo.jp

 それならば、あまりシリアスな内容を避ければいいのではと考えて、午後ロー(テレビ東京で午後に放送されている映画枠)の映画ならちょうどいい塩梅の内容だろうと、テレ東の午後ロー公式サイトを漁った結果、「デンジャラス・ラン」という映画を見ることになりました。当方テレビを持っていないため、Netflixで配信されているものを視聴

www.tv-tokyo.co.jp

 なんというか、本当に「午後ローで放送されること前提に映画を作ったのではないか?」と思ってしまうくらいの、ちょうどいい塩梅のエンタメアクション映画でした。(原題: Safe House)予告でデンゼル・ワシントンが見えますが、主演はライアン・レイノルズです。なんと南アフリカ共和国がこの映画の製作に関わっているというのは珍しいですね。

youtu.be

 物語は、元CIA工作員で現在は追われる身の、その世界では伝説の人物とされるトビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)が、現状に不満を抱いている新米工作員マット・ウェストン(ライアン・レイノルズ)の居るセーフハウス(「客室係」と呼称されている)に連れて来られるところから始まる。

 

 シリアスなものは見ないようにしようとしていたのに、冒頭の10分で既に3人も死亡する。原因は、フロストが持っているブツ。ダニエル・キーファー(ロバート・パトリック)尋問チームのリーダーがフロストをセーフハウスに連れて来て尋問するも、追跡され尋問チームは全員死亡。ここで見ていて、ロバート・パトリックって見た目の老いが目立つというか、「ターミネーター2」の頃と比較すると本当に違うんですよね。しかもこんなところで退場させられて可哀そう。

 

 で、マットはフロストを連れて逃亡せざるを得ず、彼が求めていた「現場仕事」にいきなり放り込まれる。銃の扱いに慣れていないのをフロストに見透かされるけど、カーチェイスのシーンではちゃんと追っ手をまく。彼、どうやら追い詰められると本領を発揮するタイプの様です。

 

 逃走中にCIAと連絡を取り、別のセーフハウスに行くように指示されるのだが、心理戦に長けるフロストによってCIAに対する疑念を植え付けられる。この疑念は観客からするとミステリー要素で、「CIAに裏切り者がいるみたいだが、それは誰」、いわゆるフーダニット(Whodunit)。

 

 中盤のスタジアムのシーンで、サッカーの試合で選手たちがボールを巡って競っているのは、フロストが「ボール」つまりお宝であり、それを巡る争奪戦を象徴している。そしてフロストはここでもまた心理戦をしかけ見事にマットから逃げおおせるも、マットに追いつかれる。が、直前に無関係の者を射殺したショックで非情になれないマットのこれまた心理をついて彼の追跡を振り切る。フロストはマットを「殺すのはプロだけだ」と告げてマットを殺さない。後でわかるんだけど、彼は自分と同じ道を歩ませたく無いから「お前はここで引き返せ」というメッセージだった。

 

 CIA本部からもこの任務から外されて追い詰められるマット。そしてここから彼の「反転攻勢」が開始される。恋人に身分を明かして別れを告げ(退路を断つ)、ふたたびフロストを追う。そう、この物語の構造は逃走劇であると同時に追跡劇な訳だ。

 

 フロストはフロストで、旧友のところに行きパスポートの偽造を頼むんだけど、そこでも追っ手がやって来て旧友は死亡。フロストの行くところ死体の山が築かれていく感じで、彼というか彼の持っている「お宝」は災厄の元。

 

 追跡者とやりあっているところに、マットが追いつき合流。フロストの傷の手当てをするマットを見て少し打ち解けるシーンで、フロストがCIAという組織をあまり信用しないように忠告する。ここのふたりの関係性は、若干「バディ物」の側面がある。最初は面識も無いというか、マットはフロストを伝説の男としてある種畏敬の対象だったのだけど、一緒に逃げたり殺しあったり追跡するうちに相手を知っていき、奇妙な絆が生まれる。

 

 で、終盤南アフリカ共和国のセーフハウスに到着する。ここで南アフリカ共和国製作が生きて来る訳ですね。で、序盤のマットと同じ様な境遇の「客室係」ケラー(ヨエル・キナマン)と会話して安心したところでケラーとマットの死闘が始まる。

 

 フロストはマットに手錠でつながれているので彼を助けにいけないんだけど、このシーンはどっちかというと「卒業試験」みたいに見えて、マットがちゃんとやれているのかを教官であるフロストが見届ける感じ。

 

 ここがクライマックスかなと思ったら、「フーダニット」が解決されていなかったので誰かと思いきや、マットの直属の上司デヴィッド・バーロー(ブレンダン・グリーソン)が犯人だった。「画面に出て来る物はすべて意味があって映している」という「チェーホフの銃」を引き合いに出すまでも無く、ここらへんはありきたりな展開で、キャサリン・リンクレイター(ヴェラ・ファーミガ)という同僚のCIA職員が若干匂わせ要素として出てきたけど、彼女の人となりが特に描写されないからその線は薄いですしね。

 

 フロストはデヴィットとの最終決戦で致命傷を負い、マットの目の前で息を引き取る。ここはつまりマットの未来の姿で、このままだとフロストと似たような運命をたどることが示される。でも、この映画って公開が2012年で、その2年後の2014年に「イコライザー」が公開されるので、どうしてもマットがイコライザーのロバート・マッコールに見えて仕方がありませんw。ここで死んだふりをしてロバート・マッコールという偽名で何事もなかったかのようにホームセンターで働いていそう。

 

 ラスト、CIA副長官ハーラン・ホイットフォード(サム・シェパード)にことの次第を告げるも、「お宝(CIA及び各国の諜報機関汚職ファイル)」が自分の手元にあることは伝えず、マットはネットにそのファイルを公開。別れた彼女アナ・モロー(ノラ・アルネゼデール)に再開して物語は終わる。

 

 映画を見るリハビリとしては本当にちょうどいいエンタメ作品でした。また映画を見続けることが出来そうです。