「『プー あくまのくまさん』感想・レビュー|パブリックドメイン最悪活用の駄作ホラー」(ネタバレありです!)

 A.A.ミルンの児童小説「クマのプーさん」のパブリックドメインが切れたという、ただそれだけの理由で制作された、本当にどうしようもない駄作でした。こういう作品って、たまに掘り出し物があったりするんだけど、今作にはなんの志もなかったです。ネトフリに落ちていたのが悪いんじゃ!

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プー あくまのくまさん

プー あくまのくまさん

  • マリア・テイラー
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 ↓ロッテントマトのスコア。まあ当たり前っちゃ当たり前の様に惨憺たる結果。

www.rottentomatoes.com

 冒頭、子供が描いた落書きみたいなイラストによるアニメーションで概要が説明されるところから、この映画が真面目に見るような類の作品でないことがわかってしまう。

 

 成長したことでプー達と別れたクリストファー・ロビンが大人になり、彼女をつれて100エーカーの森へ戻ると、そこには悪堕ちしたプーとピグレットがいてさあ大変、みたいな雑なシナリオだ。まあそのあとに来る5,6人くらいの女性がどっちかというと主要登場人物(という名の犠牲者達)なんですけどね。

 

 くまのプーさん(以下くまプー)の映像化といえば、2018年ユアン・マクレガー主演の「プーと大人になった僕」がありますが

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 この作品の場合だと、ディズニーが制作しているということもあり、「あくまのくまさん」の比較材料としてはぴったりです。

 

 大人になって守らなければならない社会の決まり事を守ることで、力を奪われた主人公クリストファー・ロビンユアン・マクレガー)が、一時くまプーのいる100エーカーの森へ戻る(童心に帰ることの象徴表現)で、力を取り戻してまた元の日常へと帰る。

 

 まあでもそれは「週末のサウナ」みたいなものなので、別にそのやたらに守らなければならない決まり事を守らされてしばらくすれば力を失っていくし、社会を変えることは出来ないのだけれど、上手くまとまってはいました。

 

 比較対象が対象なので、「あくまのくまさん」はあまりにも擁護のしようがないくらい出来が悪いです。アメリカの映画ではない(ちゃんと原作者の生まれたイギリスで制作されている)ので、アメリカ映画の脚本の基本構造である「共感できる、もしくは共感できない主人公が追い詰められ、そこから殻を破り反転攻勢する」が無い。

 

 それから、特殊メイクがひどくて、ただ単に体格のいい俳優にクマとブタの着ぐるみ(顔だけ)を被せるという雑さ。真面目に作る気が無い。やたら女性の登場人物が出てきて、必然性もなく半裸になって殺されるというのも、80年代のB級ホラーの悪いところを継承していて、くまプーというコンテンツに真面目に向き合っていないんですよ。

 

 最近のくまプーで、2011年のアニメーション映画「くまのプーさん」がありますけど、実はこれがいちばんヤバイと私は思っています。

 プーがハチミツを舐める描写がまんまドラッグをキメてガンギマリしているようにしか見えないんですよ!クマのプーさんのハチミツへの執着について、薬物依存や中毒のメタファーと捉えるというのは、結構定着していはいますけどね。

 

 だから、結局本家を忠実にアニメーションすることこそが、もっともホラーだったというのが私としては言いたいですね。