檻の中で飼いならされた猛獣の様な内容 映画「プレデター:バッドランド」感想(ネタバレありです!)

 「プレデター:ザ・プレイ」や、「プレデター:最凶頂上決戦」のダン・トラクテンバーグ監督だったので、期待していたのだけれど、正直微妙な出来でした。なんというか、「檻の中で飼いならされた猛獣」みたいな内容なんですよね…

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 非常に手堅い作りではありました。今回の主人公はヤウージャ族の若きプレデター、デク(ここらへんで「北斗の拳」好きには「木人形」等と連想してしまいますが)。彼は一族の中では非力とされ、抹消されそうになっているが、厳しくもメンターとして振る舞う兄クウェイにしごかれていた。が、そこに父親ニョールが現れデクさっさと殺すように言う。

 

 弟思いのクウェイが文字通り命がけでデクかばい父に目の前で殺されるも、クウェイがデクを「カリスク」という強い敵がいる星まで逃がす。ここらへんから正直暗雲が立ち込めているんですよ。

 

 まず、プレデターってひどく野蛮でありながら、同時に戦士としての厳格な掟があったりするので、このクウェイの行動は戦士の取るそれではない。だからデクにしろクウェイにしろそりゃ父親のニョールからしたら殺戮の対象になりますよ。

 

 で、デクはカリスクのいるゲンナという星に墜落し、右も左もわからない状態になる。ここまででデクはかなり追い詰められていて、物語の推進力は順調に上がってはいる。

 

 で、そこにウェイランド・ユタニ社製アンドロイドであるティア(エル・ファニング)が、半身のみの状態で現れやたら饒舌にデクに共闘を持ち掛ける。Youtubeの予告でもさんざんこすられたシチュエーションですね。

 

 先にゲンナに降り立っているので、ティアはゲンナの生態に詳しく、そのおかげでデクは生き延びることが出来る。そしてなんやかやあってカリスクと遭遇し一戦交えるも、ティアと同じウェイランド・ユタニ社製アンドロイドテッサ率いるアンドロイド軍団が登場してデクとティアは捕縛される。

 

 デクはプレデターを分析する為のサンプルとして脳をスキャンされ拷問を受け、追い詰められる。ティアがなんとかデクを逃がし、滝から落ちるデク。ここらへんモロにプレデター第1作オマージュだったりする。

 

 で、デクはここで「殻を破る」。ゲンナに自生する植物や生物を使って武器を製作し、自作とおぼしき兜をかぶり「反転攻勢(テッサ達に反撃しティアを奪還しようとする)」。

 

 ここまでで実は、愛嬌のあるキャラクターみたいな立ち位置の猿みたいな動物が出てくるのだけれど、こいつがディズニー味があって嫌な予感がして、それは終盤モロに的中しちゃいます。

 

 予告で「ズートピア2」が上映されているからなおさらこいつらの関係性がすごく被るんですよ。

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 テッサとカリスク、そしてデク達の三つ巴みたいな戦いで、「エイリアン2」オマージュのパワーローダー出現。なんかここまでくるとあざとい感じしかしない。

 

 結局「トロフィー」であるはずのカリスクだけど、実はあの猿キャラの母親でしたみたいになり、テッサが飲み込まれたことで内側からカリスクは爆発して倒される。そう、デクが倒したのではないんですよ!

 

 で、デクは父親ニョールの元に戻り成長の成果を見せてまずニョールの手下を倒す。ニョールの光学迷彩を、砂粒を使って見破り(気配を感知するとかしろよ!)見事に父を殺して兄の仇を取るかたちになるんだけどさ、父親の最後のセリフがデクに向かって「跡を継ぐのはお前だったか、降伏しろ!」はないだろ!戦士なんだから「見事だ!私を倒して跡を継ぐがよい!」くらいは言えよ!こいつら戦士、というか野蛮人としてひどく中途半端なんですよ。

 

 なんかね、ウェルメイド過ぎるんですよ。作中で殺されるのは人間以外の生物やアンドロイド達なので、ちっとも残酷に感じないし(レーティングが見え見え)。デクに「人間味(!)」を付与したせいで共感出来るキャラクターにしたのは失敗だと思います。あのね、プレデターに「プロフィール」をあたえてしまったのがあかんと思います。ある程度神秘性を保持させておいた方が、これから先もシリーズを続けるのであれば。

 

 適当な言い方が思い浮かばないので、よくないのはわかっていても使いますけど露骨に「ポリコレ」の臭い、それも悪臭すら感じてしまったんですよね。ひどくお行儀のいい、漂白された品物を提供された感じがして、私はあまり乗れませんでした。つまらなくはないけど、「コレジャナイ感」が強かったですね。

 

 「エイリアン」シリーズでも出て来るウェイランド・ユタニ社が出現したってことは、これからエイリアンシリーズと合流するんだろうけど、興味が失せちゃってます正直。