たまにかなり昔の有名な映画を見て自分を試したりしているんだけど、これは難物でしたね。単純にフィルムノワールと受け取っていいのでしょうか?
話としては、売れない小説家のホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)が、親友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)から一緒に仕事をしないかと誘われ、ウィーンにやって来るが、ハリーが死んだという知らせを聞く。
それを怪しんだホリーが聞き込みを続けるうちに軍警察のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)やハリーの恋人アンナ・シュミット(アリダ・ヴァリ)に出会い、第二次世界大戦後のオーストリアの状況を知る。
ハリーの死因には3人の男が関係していて、そのうちの2人は判明しているが、3人目はわからず、彼が事件の真相を知っているのではないかということになるので、タイトルが「第三の男」になる。
ジャンルはフィルムノワールで、こういう話は主人公が別にいい奴でもない。ホリーは売れない小説家であるばかりかこれからも目が出ないであろうことを予感させるくらい教養がないことが描写される。さらにアンナ(ファムファタルの役回り)に懸想したりするかなり問題のある男。
中盤過ぎに謎が判明し、ハリーは死んでおらず身代わりを墓に入れていたことが分かる。そう、「第三の男」はハリーだったというのがサスペンスの種明かしなのですが、昔の作品なので「さもあらん」と思わずにはいられませんでしたね。
ハリーが堕ちてしまったのは、第二次世界大戦後のオーストリアという混乱した状況がそうさせた。ペニシリンを薄めて売りさばく闇商人に成り下がったのを見て失望するホリーなんだけど、アンナがパスポート偽造の罪を追っているのを帳消しにしてもらうのを見返りにしてキャロウェイに協力する。
あくまでも自身の損得勘定で動く主人公であるところがポイントで、アンチヒーローな話がフィルムノワール。そして終盤自分を囮にしてハリーを誘い、西部劇にあこがれていたキャロウェイの部下ペイン軍曹(バーナード・リー)が銃で撃たれて現実を知り殺される。
ハリーは結局決別されたホリーに銃殺されてしまい、事件は解決。冒頭の死を偽装した埋葬シーンとは違い、今度は本当に埋葬されて物語の円環が閉じる(ブックエンド効果)。
アンナを迎えようとして、空港まで送ってくれるキャロウェイの車から降りてアンナを待つのだけど、アンナは一瞥もくれずに去って映画は終わる。このアンナが去るシーンはとても有名です。
こうして文章に起こしてみると、主要登場人物3人は決して本当に欲しいものが手に入らない。つまり世界の冷たさを表現するのがノワールなのかなと。
またしても教養が無いのを露呈してしまう結果になった感じ。このあとYoutubeに落ちてる解説でも見て復習します。
