NHK100分で名著 「カール・マルクス 資本論」著:斎藤 幸平

 ついにこの本を読まねばならないと思ったので購読。本物の「資本論」は難解で敷居も高いと判断したので、おなじみの「100分で名著シリーズ」から。

 なんだろう、事あるごとに「資本論」は引き合いに出されるので、そろそろ読んでおかないと思ってました。で、読んでみてだいたいこういうことが書いてあるんだろうなという、内容の確認みたいでしたね。

 

 要するになんでもかんでも商品に変えてしまうのが資本主義で、それによって人が労働そのものから「疎外」される。自然もまた際限の無い欲望の拡張の為に破壊され、その土地土地にあったであろう「暗黙知」も破壊され、「コモン(共有の富)」を失われる。人と人とのつながりはなくなり孤独に陥りメンタルも病む。ここらへんは漫画「アシカノ(明日、私は誰かのカノジョ)」でも描かれていましたね。

 

 この資本主義がリベラリズムと合体することにより、グローバリゼーションが拡大、全世界規模で貧富の差が拡大されているのが現状な訳で、そこらへんは以前アップしたパトリック・J・デニーンの「リベラリズムは何故失敗したのか」に詳しい。

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 では解決策はあるのか?答えは「アソシエーション」という言葉にあるらしい。意味は「労働者たちの自発的な相互扶助」ということらしく、コモンに基づいた社会、「コミュニズム」を築きあげることだというのが論旨な訳。

 

 言いたいことは非常によくわかりますし、解決策もそれなのだろうというのもうなづけます。が、日本人にそれが果たして可能なのか?まず、コミュニズムという言葉に対するアレルギー反応が非常に強いと思います。

 

 なぜかというと、1960~1970年代にかけて日本ではマルクス主義的な学生運動が起こり、 最後は仲間をリンチして殺害にいたり、あさま山荘事件を起こしてしまうという最悪の結末にいたっているんですよ。

 

 彼ら学生が憧れていた(そんなんですよ!)中国共産党ニクソンと会談して衝撃を受けたりして、今の人はそこらへんの話聞いたらポカーンだとは思いますが、世界でも惨憺たる結果に終わり今日にいたるのははご存じのとおりかと思います。

 

 で、ドナルド・トランプアメリカ大統領に返り咲き、暴君みたいに振舞ってはいますが、彼がどれだけわかっていてやっているのか謎ですけど、実は行き過ぎたグローバリゼーションを終わらせようという試みは彼のなかにはあると思います。

 

 もちろん彼は問題ありまくり(「ニューヨーク州のハッシュマネー(口止め料)事件」とかね)だけど、もう少しこういった角度で世界を見ないといけないかなと。