ついうっかり見始めたら結局最後まで見終えてしまいました。原作漫画は読了済みでしたが、細かい箇所は忘れてしまったので改めてアニメで見ると、本当にキツイ!
内容としては、しずかちゃんとまりなちゃん、そしてあずまくんという3人の子供たちがメインで、この子たちの親が保護者であることをまっとうしない為に3人とも精神や肉体を病んでいる。しずかちゃんの母親は、まりなちゃんの父親と不倫をしているのが原因でまりなちゃんはしずかちゃんに八つ当たりで苛烈ないじめを行っている。
そこに、無垢な存在の「タコピー」という異星人が地球に訪れる。コイツは無垢なので悪意というものが分からず、事態を収拾する為に「善意」で行動し余計に事態を悪化させてしまう。
「考えも無しに善意で行動するとヒドイ結果を招く」というのが寓意な訳。それをタコピーが出す「秘密道具」で何度か繰り返される。ここらへんは思いっきり「ドラえもん」の黒いパロディだったりする。
で、善意では駄目だと悟るのだけど、ここでタコピーが「原罪」を獲得し、タイトルが回収される。そして考え得る最良のルートを、タコピーの自己犠牲によりある意味しずかちゃんとまりなちゃん、あずまくんの意識に残滓となって偏在し、なんとか3人はましな人生を歩むのだろうなというのを予感させて物語は終了する。
こうして見ると「まどマギ」の影響が若干みられるのかなとは思います。それと、たしかに内容はキツイんだけれど、すごくひどい事を言ってしまうと実はまだヌルといいますか、セムティックな終わり方だったりもするんですよね…
現実の世界にはもちろんタコピーなんかはいないので、おそらくしずかちゃんは虐めを苦に自殺してしまうだろうし、しずかちゃんの母親と不倫関係に陥ってしまっているまりなちゃんの父親もあんな感じなので、まりなちゃんの家庭は崩壊し、母親は精神を病んで娘に当たり散らしてまりなちゃんも病んでいき、その後の人生もまったく平坦なものでは無くなるだろう。あずまくんも兄へのコンプレックスは解消されず、母親に対する承認欲求をこじらせてやっぱり人生はいばらの道でしょうし。
こんな事をつらつら書いていてやだなーとは思うけど、それではヤングアダルト作品としてはあんまりなので、イタイけど救いは用意する。救いが無いとそれこそアート作品になってしまうので。
「作者が残酷なのではない、世界が残酷なのだ」というのは、こういう作風の作品を受け止める際に頭に留めておくことなんだけど、「保護者(実の両親でなくてもいい)が保護者をちゃんとやらない、まっとうしないことに対する怒り」をすごく感じますね。
現実に実際に起きている家族の問題をおそらくは参考にして物語を構築しているので、似たような境遇の子供たちに送る励ましというか、願いの様な作品です。