ウェス・アンダーソンはお初だったりする。
上映時間39分の短編です。ロアルド・ダールという方の短編小説を映画化したもので、なんとも奇妙といいますか、短編であることもあいまってアメリカ映画を多く見ている私には非常に首をかしげながら見終えました。
筋立てとしては、独身男ヘンリー・シュガーの元にイムダット・カーンという「目を使わずにものを見る」という能力を持った男の生涯がつづられた本が手に入る。そしてその本を参考にして、ヘンリーも修行して同じ能力を身に着ける。
その後、彼はギャンブル場でその能力を発揮して(怪しまれないように慎重に)お金を稼ぐが、あまりにも容易く大金が手に入ったことに失望し、お金に嫌悪感を覚え自宅の窓の上から金をばらまくも、そこに通りがかった警察官(レイフ・ファインズ!)にある意味でさとされ世のため人の為にその能力を使い生涯を終える。
そしてその生涯を記すことを、ロアルド・ダールに依頼されるというのが経緯だったというのが本作のあらまし。
通常の映画の表現の文法と違っていて、どちらかというと演劇の舞台装置に近い感じで物語は進行する。語り手はあのベネディクト・カンバーバッチ!
観賞後はとても珍妙な作品を見たなという感慨がありましたね。やっぱり表現者の原理が最も詰まっているデビュー作であるところの「アンソニーのハッピー・モーテル」から入った方が良かったのかも。