映画「ラストマイル」

 去年の8月公開からやっとこさ配信が始まったので視聴。配信はU-NEXTで独占配信。

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 とある大手物流センターから配送された荷物が爆発したことによる連続爆破事件を軸に、現在の物流業界の内幕と、その末端で働かされ割を食わされている人たちが出て来たりする、ある種群像劇的ではある。

 

 犯人は誰なのかというサスペンス要素もあるけど、終盤になってそいつはとうに死んでいたあたりは、「機動警察パトレイバー the Movie」っぽいかも。

 

 物流に限らないけど、インフラというものがいかにもろいのかも描写されていますね。私も物流じゃないけど、インフラの仕事していたので、この社会がいかに危ういバランスの上に立っているのかは身に染みて知っています。

 

 で、主人公はいちおう物流センター長の満島ひかり演じる「舟渡 エレナ」で、最初利益第一主義で、人死にが出ているのに物流を止めようなんてこれっぽっちも考えない、成果主義の権化みたいで共感できない。

 

 だが終盤自分がクソであると気が付き「殻を破る」。でもさ、この展開は甘ったるいとしか言いようがない。理想論だよこれは、なんでもっと地獄を見せない?ここらへんが今作の限界だと思う。

 

 「真犯人」は誰か?何故この映画の中で犯人が凶行に及んだのか?なんてことはない、それは私たち消費者がそうさせたんだよ。便利さや快適さを追い求め、安くより良い商品を、早く手に入れたい我々消費者がそうさせたんだと見ているこちらに突きつけない。そんなことをしたらお客さん来ないから。それが本作の限界でしたね。