「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」があんな形になってしまったから、今一度口直しの為に視聴した訳ではないです。
言わずと知れたクリストファー・ノーランの傑作アメコミ映画「バットマン」の第2作目。この映画でジョーカー役を演じたヒース・レジャーは、残念ながら自死してしまったんですよね…
たぶん極めて普通の人だったであろうヒースは、ジョーカーを演じていくうちに、「この世界は自分が知っているような世界ではなかったんだ」と、嫌な気づきを得てしまったからなんでしょうね。
作中、バットマンは決してジョーカーに勝てないで負け続ける。2回ジョーカーを殺せるチャンスがあるんだけど、不殺生主義者であるバットマンにはそれが出来ない。そして終盤やむを得ないにしろ、バットマンは自分に課していたルールを破ってしまうことでもジョーカーに敗北する。
「正義は敗ける」「愛は破れる」シーンを見せつけられ、ハービー・デントは悪堕ちして「トゥー・フェイス」になってしまい、ゴッサムシティの希望は破られたかに見えるが…
テーマとしては「我々にはフィクションが必要だ」ということ。それは今作では2つあって、アメコミ映画というフィクションと、我々が絶望しない為の「物語」。
人間はフィクションを信じることが出来る生き物なので、映画に限らず「物語」というものがいかに重要か、それを本作は伝えている。